私が担任に捕まって連絡するのが遅くなったので、相沢くん達は予定通りの電車に乗ってしまっていた。
金田と会わないようにと、相沢くん達と帰る予定だったのに。
少し寂しさを感じながらもそう簡単には金田に会わないだろうと高を括っていた。
「……咲季ちゃん」
いつも相沢くん達が乗り降りする駅。
そこでまさかの金田と顔を合わせてしまった。
金田に会わないようにいつもの2両目でなく先頭車両に乗ったのにっ!
向こうもまさか私が居るとは思ってなかったのか吃驚して私を見つめる。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
突然の事に心臓が早鐘を打つ。
金田の視線から目を逸らすだけで手いっぱいの私はパニックになりかけた。
「あっ!!いたっ!伊藤さんっ!」
その時、自分の名を呼ぶ女の子の声がした。