◇◇◇


「─︎─︎別れてくださいっ」


 そう言った彼女は謝ってどこかへ行ってしまった。俺は唖然として、頭の中はパンク状態……どうして?

 俺、なにか嫌われることしてしまったのかな。最近、彼女は上の空状態が続いていた。もしかしてずっと、俺と別れたいと思っていたのか……?


「あれ、拓海じゃん。彼女は?」


 そんなことを考えていると友人の快斗がやってきて声をかけられた。


「……今、別れて欲しいって言われた」

「は? さっきまでラブラブだったじゃねーか。なんかしたのか?」

「してないと思う……多分」


 記憶のなかでは何もない。
 

「ずっと別れたかったのかも」

「それはないんじゃねーの? 弁当、彼女が作ったんだろう?」

「あぁ……」

「見る限り、別れたいと思ってる子の弁当じゃない」


 弁当には俺の好きな卵焼きや唐揚げ、それに野菜もたべないとと野菜も入っている。


「栄養バランス考えて作ってると思う。もしかしたら、これかも……原因」

「え、何これ」

「清水さん? だっけ……清水さんの誹謗中傷コメント。しかも発信元は元カレ。それに読んでみて」


 俺は快斗のスマホを受け取り、そのSNSを見た。


【〇〇大学清水咲良は気持ち悪い能力をもっている】

【気持ち悪いくせに、まだ大学いるとかありえん笑】

【大学来るな】


 それに最新の投稿……。


【誰も愛してなんてくれないだろう】