「あれ?杏子、体育サボるの?」
麻里子が教室に入ってきた
「あーうん」
「じゃあ私もサボろー」
そう言い麻里子は携帯を取り出し、
ゲームを始めた
「今日こそこのステージ、クリアしたいんだよね」
と、ゲームに没頭している
「あたし、ジュース買ってくるね」
「うん」
そのまま屋上に行った
風が気持ちよくて、
私は大きく深呼吸をした
トントン、と軽く肩をたたかれ
私は後ろを振り返った
私は首をかしげた
見たことは、あるのかもしれないが、
名前が思い出せない
ましてやクラスも、
同じ学年だったかも、何も思い出せない
「3年4組の、安西省吾です。君は2年の守山杏子ちゃんだよね?」
「はい…そうですが」
「初めまして。君は僕を知らないよね」
「すみません。あの、どうして私のこと…?」
「好きだから」
「…は?」
その人はにっこり微笑んだ
「君が好きだから。なかなか話しかけられなくて…でもいつか気持ち伝えるつもりだったし。丁度いい機会だ」
何がなんだか分からなかった