チャイムが鳴り響いて、
先生が教室から出て行った
「1限、なに?」
麻里子が加山美里に問いかけている隙に
私は教室を出た
足は思いのほか軽々と進んだ
行き先は、思い描いてはいなかった
だが、行き着く先は、
もうなんとなく分かっていた
職員室
私はドアをそっと開け、中の様子を確認した
お目当ての相手はいない
次に私は生徒指導質の前に行った
中から声がしないことを確認して、
恐る恐るドアを開けた
すると、
1人の男子が椅子にだらしなく座っていた
「…あの、」
私の呼びかけに、
その男子はギロっと私を睨み付けた
「富永くん?」
「あんた、誰?」
私の知っている富永勝とは、
全くの別人だった
声も違うし、態度も
「…喧嘩、弱いの?」
「はあ?」
少し怒ったような顔で、私を睨んでいる
「…ごめん。傷、痛い?」
「なんだよテメー」
不良なんだ、と確信した
「まああんたのおかげで、あたしは100円儲かったんだけどね」
「だから、なんなんだよお前」
私は教室に入って、ドアをしめた
「前、座っていい?先生来るの?」
「もう来ねーけど?大体お前、なんなんだよ。何の用だよ」
「用はないんだけど…て言うか、喧嘩って楽しいの?」
「楽しいわけねーだろ。まあパンチ食らわしたら最高に気持ちいいけどな」
「今回は食らわされたけどね?」
「うっせーなお前、殴んぞ!?」
「女に手上げちゃ駄目なんだよ。そんな男って、さいってー。て言うかあんた、どこでどう変わったの?家庭で何かあった?それとも友達の影響?」
「テメーまじボコんぞ!?」
「まあまあ落ち着いてよ。少し話そうよ?ね。せっかく、久しぶりに会えたんだから」
「は?」
富永は不思議そうな顔で私を見た
先生が教室から出て行った
「1限、なに?」
麻里子が加山美里に問いかけている隙に
私は教室を出た
足は思いのほか軽々と進んだ
行き先は、思い描いてはいなかった
だが、行き着く先は、
もうなんとなく分かっていた
職員室
私はドアをそっと開け、中の様子を確認した
お目当ての相手はいない
次に私は生徒指導質の前に行った
中から声がしないことを確認して、
恐る恐るドアを開けた
すると、
1人の男子が椅子にだらしなく座っていた
「…あの、」
私の呼びかけに、
その男子はギロっと私を睨み付けた
「富永くん?」
「あんた、誰?」
私の知っている富永勝とは、
全くの別人だった
声も違うし、態度も
「…喧嘩、弱いの?」
「はあ?」
少し怒ったような顔で、私を睨んでいる
「…ごめん。傷、痛い?」
「なんだよテメー」
不良なんだ、と確信した
「まああんたのおかげで、あたしは100円儲かったんだけどね」
「だから、なんなんだよお前」
私は教室に入って、ドアをしめた
「前、座っていい?先生来るの?」
「もう来ねーけど?大体お前、なんなんだよ。何の用だよ」
「用はないんだけど…て言うか、喧嘩って楽しいの?」
「楽しいわけねーだろ。まあパンチ食らわしたら最高に気持ちいいけどな」
「今回は食らわされたけどね?」
「うっせーなお前、殴んぞ!?」
「女に手上げちゃ駄目なんだよ。そんな男って、さいってー。て言うかあんた、どこでどう変わったの?家庭で何かあった?それとも友達の影響?」
「テメーまじボコんぞ!?」
「まあまあ落ち着いてよ。少し話そうよ?ね。せっかく、久しぶりに会えたんだから」
「は?」
富永は不思議そうな顔で私を見た