朝一番に電話して、突飛なお願いをしてしまった自分の恥ずかしさに、しばしベッドの上で身もだえし。
動きを止めた香耶はふと、思いつきでスマホの画面をタッチした。
「ガイド……オーストラリア……」
すぐに表示された検索結果の一番上を開くと、パッと出てきたのは、真っ青な海。
『オーストラリア在住のガイドが、観光案内、通訳、予約の代行などをします』
一番上に大きく表示されたサイト名の下にあった一文は、まさに今、香耶が求めているもの。
「よっし!」
思い切りガッツポーズをして、画面をスクロールすると、SNSのような小さなアイコンと、簡単な自己紹介、それにプロフィールがずらっと並んでいた。
「わぁ……いるじゃない」
下に出ている数字によると、21人分。
自分の写真や、ぬいぐるみ、美味しそうなスイーツなどのアイコンをスクロールしながら流し見て、香耶はふと、手を止めた。
目に留まったのは、まぶしいばかりのオレンジ色のアイコン。
夕焼けの、沈んでいく太陽がオレンジ色に照らす景色に、影になった黒い端正な横顔。
アイコンの中央には、その人が持っているのだろう、夕日に照らされ金色に輝く液体が入ったグラスがあった。
「…………きれい……」