こうして疑問に思うことは、ここについてから既にたくさん出会っている。
けれども、一人旅の香耶に教えてくれる人がいないから、どんどん消化できない疑問が溜まっていくばかり。
「はぁ……」
しんみりしてしまった香耶は、スプーンを置いてつぶやく。
「誰か……教えてくれたらいいのに……」
口に出したのが良かったのか、頭の中にアイディアが浮かんだ。
「そっか、それよ!」
旅行会社のパンフレットにあったオプションサービスに、ガイド、というのがあった。
説明された時にちゃんと聞いていなかったのが悔やまれるが、確か、現地に住んでいる日本人が、観光名所なんかをいろいろと案内してくれる、というもの……だった気がする。
あの時は自暴自棄になっていたから、別にいらない、と愛想のない返しをしてしまったけれど、今からでもどうにかできるんじゃないだろうか……?
「……となれば……」
ベッドの上に置きっぱなしのスマホを思い出しながら、香耶はとにかく、お皿の上の料理を急いで胃の中に片づけることにした。