どうやって食べるのかわからないけれど、皮ごと食べるわけではないだろう。

チャレンジするとしても、あの皮は固そうだから、まずはナイフか何かを買わなきゃ。

本格的にお腹がすいてきた香耶は、好奇心をとりあえず横に置いて、食料探しに戻ることにする。

次のコーナーは野菜だけれど、料理する場所のないホテルに持ち帰ってもどうしようもないだろう。

視線を巡らせた香耶は、後ろ側に目的の物を見つけて、くるりと方向転換した。

冷たい冷気の吹き出す中に置かれた、透明な箱状のもの。

日本のものよりは大きいけれど、レタスやベビーリーフ、ナッツや穀物の入ったサラダは種類も豊富で、とても美味しそう。

日本と同じく、手をかけずにサラダを食べたい人はオーストラリアにもいるらしい。

どれにしよう……と眺めて、香耶はサラダの横に並んでいた、大きなラップサンドを選んだ。

平たい薄焼きのピザのようなパンに、たっぷりの野菜が巻かれた巻き寿司のようなサンドイッチは、ペットボトルくらいの太さがあって、ボリュームたっぷり。

近くにあった日本でも見たことのあるメーカーのオレンジジュースをカゴに入れると、ヘルシーにお腹が満たされそうなセットが出来上がった。