奥に続く道の両側には小ぎれいなお店が並び、日本でも何度か行ったことのあるアウトレットモールか、テーマパークのよう。
同じような街並みが続く道をこのまま行くよりも、と、自分の直観に従うことにして、香耶はその入口へ足を向ける。
入口にあったのは、お菓子屋さんだろうか?
カラフルな缶を積み上げたテーブルが置かれた店と、ショーウインドウに洋服が飾られたお店。
赤い窓枠のおしゃれな店はレストランかカフェのようだったけれど、残念ながらCLOSEの札がドアにかけられていた。
ちょっとがっかりはしたものの、通路の両側の店を見回しながら、香耶はなんだか見慣れた感覚に少しほっとして、香耶は自然と表情をゆるめていた。
もしかしたら、日本のアウトレットモールはこういう場所を参考にしたのかもしれない。
ゆるく下がっていく道が地下道のようになり、両側の店がおしゃれなものから、より日常的な……眼鏡や靴の修理、マッサージ屋さんなどに変わると、香耶の親近感は更に増した。
こうなってくると、もうアウトレットモールというより、ショッピングモールか、駅の地下街だ。
さっきのカートをひいたおばさんも、ここに買い物に来たのかもしれない。