食べようと思ったものとは違う、おやつみたいな内容になってしまったけれど。
朝食はどれもおいしく、カフェにでも来たようで、香耶は少し贅沢をした気分になれた。
満足した気持ちでコーヒーを飲み干し、香耶はそっと空になったカップを揃いのソーサーに置く。
のどが渇いていて最初に食べたせいか、フルーツの盛り合わせが一番おいしく感じられたけれど、後で食べたデニッシュっぽいパンも香ばしくて美味しかった。
甘酸っぱいジャムがけっこう多くて、コーヒーが欲しくなっちゃったけど、相性は抜群だったし。
フルーツの上に乗ってたのは、ヨーグルト、なのかな?
メニューを見た時は、フルーツとヨーグルトとサラダ、だと思っていたけれど、あれはフルーツヨーグルトサラダ、で1つの料理名だったんじゃないかな?
食器の回収に来たらしい、さっきとはまた別のCAさんにトレイを渡しながら、香耶は夢中で食べきってしまったメニューを惜しむように思い起こす。
オレンジ、リンゴ、粒の大きな苺にパイナップル。
おおぶりにカットされた緑色とオレンジ色の、それほど甘くなかったあのフルーツは、メロンだったのか、それとも別のフルーツなのか……
知りたいけれど、聞く術がないのが、もどかしい。