そう答えはしたものの、予想以上に美しいルカさんの衝撃はなかなか去らず、香耶はぼうっと目の前の美しい顔に見とれたまま上の空で答えた。
「よかった」
濃い茶色の眉は確かに男性的ではあるけれど、くっきりした二重の目を縁取るまつ毛はマスカラいらずの素晴らしい長さと密度。
ツンと鼻先の尖った鼻梁はスッと通っていて、肌は白く、明らかに日本人とは違う顔立ち。
あの小さな写真から、なんとなくキレイな人だろうとは思っていたけれど、まさか、外国人男性だとは思わなかった。
「あの、ヤマモトさん?」
「……あっ、はい、すみません」
「え?」
不思議そうな表情を浮かべた彼に、香耶はあわてて言い訳めいた説明をする。
「あの、なんか、すみません!びっくりしちゃって」
「びっくり?」
「はい、その……女の人だと思っていたので」
「……女?」
「はい……だって、写真もキレイで……名前もルカ、だし……」
ますます不思議そうに凛々しい眉をひそたルカさんは、軽く首をかしげるようにしてスマホを取り出すと、何度か画面をタップし、その画面を香耶に向けて見せてくれた。
「ここ、性別が……」
ちょいちょい、と指先で示されたのは、あのサイトの画面。