日本では見たことのないラインナップに、ちょっと心が踊る。
メニューの半分くらいは何だかわからなかったけれど、わかったものはどれも食べれそうだったせいか、きゅう、と小さくお腹が鳴った。
「すみませーん……」
日本語で言ってしまってから、とりあえず、少し大きな声を上げてみる。
「あ……あの!」
学校の英語の授業って、こういう時に全然役に立たない気がするのは香耶だけなんだろうか?
外国だって、ハンバーガー以外のものを食べることだってあるじゃない!
チーズバーガーとか、オレンジジュースとか、教科書に乗っていたイラストを思い出して悪態をついていると、相変わらず、にこりともしない女性店員がやってきて、さっきと同じ言葉を繰り返した。
「What can I get you?(ご注文はお決まりですか?)」
多分、注文ですか?みたいなことを聞いているに違いない。
雰囲気でそう予想して、香耶は小さく頷き、左端のパイを指さした。
「for here, or to go ?(ここで食べますか?お持ち帰りですか?)」
すぐに意味はわからなかったけれど、聞いたことのある単語で問われて、ちょっと考える。
ここ?行く?