「これは……旅程……後で見ておこう……あ、これは動物園?……これも小さく地図がのってる……あ、オペラハウス!日本語の案内があるんだ!」

有名なオペラハウスのパンフレットは、もちろんキープして。

見つけた地図は2つ、観光スポットらしい動物園か何かのパンフレットもあった。

小さい方は港周辺の拡大地図のようなので、大きな方……旅行会社の支店の案内地図と、ホテルの地図を見比べていくことにした。

「まずは……やっぱりオペラハウスかな」

テレビでも見たことのある有名な建物は、そっくりのイラストが岬の上に描かれている。

オーストラリア、特にシドニーといえば、香耶としては、これのイメージしかない。

有名な観光地らしく、すぐそばには駅があって、香耶が止まっているホテルの最寄り駅から電車に乗れば、2駅。

区画を見ると、10区画ほどで、港というか、オペラハウスがある岬に接した湾に着くようだ。

電車に乗ってもいいけれど、仕組みは日本と同じだろうか……?

勝手がわからないわけだから、切符を買うところでつまづく可能性が高い。

しかも、英語が話せないのだから、どうすればいいのか、訊くこともできないのだ。

「2駅なら……歩いても問題ないか」