「こいつのせいで眠れないの?」

え。

そこには彼女の姿がある。

「ここは僕の夢の中だよね?」

彼女は言葉を返さなかった。いつもの彼女なのだろうか、少しいつもと雰囲気が違う気がする。

「ぜんぶ引き抜いたらいんじゃない?」

そういうと彼女はソレに近づいていく。

「え、ちょっと」

どんどん近づいていって肉から出ている首を力いっぱい握った。

そのまま首をを力いっぱい引いてみる。なかなか出てこない。

そうならったら片足で肉を踏みつけて体重をかけてひき剥がす。

大きな断末魔が部屋中を覆い尽くす。

鼓膜が裂けそうだ。

バリバリと大きな音を出しながら首の下の小さな体は肉の塊から追い出された。

生々しく艶やかにひかる男性の裸体。肉片はこびりついている。気持ちが悪い。

「お前名前は?」

彼女がそいつに問いただす。

「は、はあ」

話そうとしてるが言葉が出てこないような様子だ。

「お前名前は?」

彼女は更に冷たく問いただす。

「あ、あ、ありません」

「はあ?じゃなんのためにここにいる?」

「な、な、何も考えないと楽で、そしたら、気づいたらこうなっていました」

「あっそ、次」

彼女はまた肉の塊に近寄る。

ミシミシと音を立てながらまた肉からそいつらを引き剥がす。

「お前名前は?」

「あ、あ、あ」

「話せないの?」

「あ、あ、すいません、すいません」

そいつは頭を抱えて怯えてる。

「次」

彼女はまた引き出した。

「あんたは?」

「ゔー、ゔー」

「なんでここにいるの?」

「あ、あ、あの」

「聞いてあげるから、ゆっくり話な」

「生きるのつらいなって思って諦めて、あ、死のうとしてたら、気づいたら、あ、 ここにいて」

「そう、生きるのはつらいよね、でも人を苦しめてはいけない、それだけはどんなに辛くてもしてはいけない、人は人を苦しめると自分に不幸が返ってくるんだ。だから本当は辛いなら幸せにらないといけないんだよ、幸せになる努力は怠ってはいけない、それで精一杯生きて辛いのも忘れて死なないといけない」

「あ、あ、そうだった、軽い気持ちで書き込んだ、自分が辛かったから人に当たってしまった、酷く傷つけてそして自殺したらしい、でもそれが間違いだった、全部自分に返ってきた、そして飲み込まれた、許してくれ、許してくれ、許してくれ」

そう言ってそいつは消えていった。

「拓海くん、あなたにも心当たりがあるでしょ、それに飲み込まれたのよ、彼女が死んだ時どんな気持ちだった?今どんな気持ち?改められる?」

「」