「拓海はなんか悩みとかないの?」

彼女は鋭い。

「んー、悩みね」

「ないの?」

「それが最近寝不足なんだよ」

「バイトとか?」

「いやそうゆう訳じゃないんだけど、なんて言うか悪夢を見るだよね、そのせいで最近ぜんぜん寝れないんだよ」

「何それ、子供じゃないだから」

彼女は笑った。

「そのレベルじゃないんだって毎日毎日ほんと同じ夢を見て、苦しいんだよ、ほんとに辛いんだってば」

「そう、じゃあ一緒に寝てあげようか?」

「何言ってるんだよ」

「別にいいじゃん、付き合ってるのだから何か問題でも??」

「まあ、そうだけど、そういう事じゃないンだけど」

「じゃあ決まりね、バイト終わったら今日泊まりに行くから」

「あ、ああ、」

「なに?嫌そう」

「嫌じゃないんだけど」

「ん?」

「いや、わかった、待ってるね」

「はーい、久しぶりだから楽しみ」

僕も楽しみだ。だが彼女がいたら夢は変わるものだろうか、不安は残る。