肉の塊。

それが呻く声。

うるさい。低く。大勢の声だ。

耳を塞いでも聞こえてくる。

見た目も醜い、

ソレからは大量の手足がまばらにはえていていて

醜い。

これは夢だ。理解は出来ている。

いつの間にか寝ていたのだろう。

肉から生えたいくつかの顔達は悲痛な表情で何を呟いている。

何を言っているのかは解らない。分かりたくもない。五月蝿い。

匂いもきつい。死臭というのか生臭い。嘔吐しそうだ。

夢と理解しているのに逃げられない。

白く大きな部屋の中大きな肉の塊が蠢く。

そいつが通った後はジメジメと床に何かがこびり付く。

ゆっくりとこっちに向かってくる。

見たくない。見たくない。見たくない。

見たくないのに視線を逸らすことは出来ない。

アレはいったい何なのだろう

ゆっくり、ゆっくりと近づいて来る。もし捕まったらどうなるだろうか、アレの1部になってしまうのだろうか

これは夢だ。夢のはずなのに

怖い。怖い。怖い。

どうすれば目が覚めるのだろう、思い出せない。

「た、く、み」

ん?

今、僕の名前を呼んだのか?



心臓の鼓動のように大きくなったり小さくなったりしている。