第1話〝地獄の始まり〟

 この世界は、どこから間違ったのだろうか。

久しぶりの学校に俺は心をワクワクさせて家を出た。
今日は平日で、9時ぐらい。

学校には行くけど、少し遅刻をしている。


平日だけど、人が結構多いな。
学校への近道を通るため、公園の中を歩いている。
大きな犬を散歩している男がいた。
「かわいいですね。」
そう話しかけた。
「そうですか。ありがとうございます。」
「犬種ってなんなんですか?」
「この子は、ドーベルマンですね。」
「へぇ、そうなんですね。」
ワンワン
犬が吠えている。
かわいいな。
「あっ、そろそろ俺行かなきゃ‥‥‥すみません、失礼しますね。」
「おっ俺?」
驚いた様子でこっちを見る男の人。
「すみません、気にしないでください。」
昔から俺は、女なのに一人称が俺だ。
だから、初対面の人とかは、話していると驚かれる。
「えっと、行かないんですか?」
「あっ!行きま‥‥」
バタンっ
行き成り犬を連れていた男の人が血を吐き出して倒れた。
「え?大丈夫ですか!?」
ポトッ倒れた男から何かが落ちてきた。
石だ。
「なんで石が‥‥?」
そう考えていたら
ドンッ
犬が押し倒してきた。
ガブッ
肩を思いっきり噛まれる。
血がポタポタと垂れる。
痛い‥‥‥。
犬はすぐに逃げていった。
うっ
「早く、どこかに‥‥」
そう思って立ち上がった時
「あれー?もう1人いたぁ。」
とヒョロヒョロとした男が現れた。
あれは、人間じゃない、別の何かだ。
何となく‥‥そう思った。
「大丈夫、この石が君がに当たったら‥‥すぐに楽になれるからね。」
そう言って、石をこっちに向ける。
俺もあの人みたいに‥‥殺される!
ドンッ
足に当たる。
「うっ!」
あれ?
「何ともないけど。」
「え?なんで‥‥」
呆気にとられる男。
「‥‥‥なんでぇ?」
俺もわかんねぇ。
でも、とりあえず‥‥‥
「あっ!USO!」
「え?何それ」
逃げよう!
タッタッタ
肩が痛い。
もう、何が何だかわからない。
けど、走らなきゃ!走らなきゃ、追いつかれて殺される!
とりあえず‥‥学校に‥‥


ついた。
ここまで学校に来る間、立っている人間は‥数人しかいなかった。
学校には‥‥誰かいるかな‥‥
ガラガラ
教室に入る。
「誰もいない‥‥」
すっからかんだ。
机や椅子がバラバラになっていて、争った形跡がある。
少しだが、血とか布や服の切れ端とかが落ちている。
とりあえず、ここにいよう。
窓際に座り込む。
ずっとズキズキしていて、肩が痛い。


今日、久しぶりの学校のはずだったのに‥‥どうして、こうなったんだろう。
学校に来たら、誰かいると思ったのに‥‥。
誰もいないなんて‥‥‥。
「あれ、もう1人いたの?」
サッ
笑顔の男がそう言って、教室へと入ってくる。
見覚えがあるような‥‥ないような顔だ。
懐かしい感じが‥‥している。

いや、今はそんなこと考えている暇はない!

教室に入ってくるのに気づかなかった‥‥、こいつも‥‥人間じゃない。