杏奈は柔らかく笑って瑠衣にこたえた。
「次に出勤するのはあさってだ。」
「お待ちしています。」
瑠衣は一度社に出勤してから関西に向かい、翌日の夜に帰宅する予定だ。
「行ってらっしゃいませ」
杏奈はそう言って頭を下げた。
「行ってきます」
瑠衣はくすぐったい気持ちを覚えながら、杏奈に背を向けて社長室をでた。






いつもは瑠衣と二人で社長室で仕事をしている杏奈。
瑠衣のいない社長室はやけに広く、静かに感じた。