「お疲れ様です。」
杏奈は給湯室で同じ秘書課の女性職員たちと久しぶりに顔を合わせた。
一週間に一度ある秘書課の会議には顔を出していても、最近は秘書課のフロアではなく社長室にいることがほとんどだ。秘書課の同僚たちとは内線で会話をする程度だった。
「雰囲気、だいぶいいよね」
同僚である秘書課の上野優香に声をかけられた杏奈。
「うん」
二人は同期で入社している。と言っても優香はすでに一児の母。
「あーあ。いいなー。新社長かっこいいし。社長秘書なんていわば秘書課の花形じゃない。」
「・・・そうかな」
「そうよー。私も結婚してなければ」
「こらこら」
「でも新社長、はじめはただのぼんぼんかと思ってたけど、全然違ったわね。」
瑠衣のことをよく言われるのは、杏奈にはうれしい。
「社長としての才能、あるんじゃない?顔もいい。頭もいい。性格もよさそうだし。さっき資料渡したら『上野さん、ありがとうございます』って、私の名前も覚えてくれてた。ちゃんとありがとうって相手の目を見て言えるなんて。しかも社長なのに。」
優香は杏奈の両手を握った。
杏奈は給湯室で同じ秘書課の女性職員たちと久しぶりに顔を合わせた。
一週間に一度ある秘書課の会議には顔を出していても、最近は秘書課のフロアではなく社長室にいることがほとんどだ。秘書課の同僚たちとは内線で会話をする程度だった。
「雰囲気、だいぶいいよね」
同僚である秘書課の上野優香に声をかけられた杏奈。
「うん」
二人は同期で入社している。と言っても優香はすでに一児の母。
「あーあ。いいなー。新社長かっこいいし。社長秘書なんていわば秘書課の花形じゃない。」
「・・・そうかな」
「そうよー。私も結婚してなければ」
「こらこら」
「でも新社長、はじめはただのぼんぼんかと思ってたけど、全然違ったわね。」
瑠衣のことをよく言われるのは、杏奈にはうれしい。
「社長としての才能、あるんじゃない?顔もいい。頭もいい。性格もよさそうだし。さっき資料渡したら『上野さん、ありがとうございます』って、私の名前も覚えてくれてた。ちゃんとありがとうって相手の目を見て言えるなんて。しかも社長なのに。」
優香は杏奈の両手を握った。