あーだのこーだの言っている瑠衣。
でもその表情はかなりにやけてうれしそうだ。

「ひな鳥に餌をやる母鳥の気持ちが分かる」
とかなり丁寧にメイクを落としてくれている。

「よし、飯だ飯」
メイクを落とし終わると二人は広いリビングへ戻った。



瑠衣の作ってくれるいつものスープ。
今日はいつもよりも具沢山だった。

元気のない杏奈を励まそうとしているのか、スープに入っているニンジンが花形に切られていて、杏奈は笑った。あまりに不格好だからじゃない。その気遣いが温かかったからだ。