「もうすぐできるぞ」
「うん」
「シャワー浴びるか?」

結局スーパーで泊まるのに最低限必要なものは買ってきた。

「化粧だけ落としてもいい?」
「もちろん」

いいにおいがする鍋を混ぜていた手を止めて瑠衣は火を止めると浴室に案内しようとした。
「杏奈、それじゃあ動けない。」
「動ける」
「なんだ?急に甘えたじゃん」
瑠衣の背中に抱き着いたまま離れようとしない杏奈に瑠衣が話しかける。
「違う」
「いや、相当な甘えただな。」
「違うもん」
「じゃあ一緒に風呂入るか」
「それは嫌。」
「ははっ」