「だろうなって言って笑ってた」
「・・え?」
「親父は知ってたからなー。俺と杏奈が昔付き合ってたこと。」
「えー!?」
衝撃の事実に杏奈は母の病院で会った理事長との会話を思い出した。

瑠衣と自分が同じ大学で同じサークルだったことは理事長が知っていると、杏奈は話で聴いた。
でも、自分と瑠衣が付き合っていることを知っていたとは知らない。
「知ってたって?」
「俺が杏奈と付き合ってたことも、俺がまだ好きだってことも。次いでに言えば、俺たちがこうしてよりを戻すことは予測してたらしい。」
「・・・」
「だから、俺が杏奈にプロポーズしたことを言ったら笑ってた。」
「・・・」
ものすごく大きな口で食事をする瑠衣。
「その笑いってあきれた笑い?」
話の続きが気になりすぎて、口に瑠衣がたくさん食べ物をつめている状態でも遠慮しない杏奈。

「んー。」
瑠衣は口の中のものを、飲み物で流し込んだ。