ベッドから空を見上げると雲ひとつない青空だった。

不意に母を思い出す。

こうして病室の窓から空を見ていた母。

その時、どこかにいる父を想っていたのだろうか・・・。


母は何を考えていたのだろうか・・・


そんなことを思っていると杏奈の部屋の玄関が開いて大量の食材の入った買い物袋をさげた瑠衣が入ってきた。

「ただいま」
「・・・おかえり・・・」
「なんだよ。横になってなかったのか?」
そう言いながら買い物袋をキッチンへ置き、杏奈方へ向かってくる。