「でもまぁ、暇潰しでもないし理由もあるんだったらいいんじゃないの?」


そんな梓っちの言葉に僕ら生徒会メンバーの空気が凍りついた。


「はぁ?どういうことだよ梓、お前は澪華と離れてもいいのかよ?」


そうだ!そうだ!

「分かってるでしょ?このまま澪華が此処にいても私達は澪華を救えない、そう考えて理事長も澪華自ら行けと命令したのよ、本当は心配に決まってるでしょ?澪華の母親なんだから、」


確かに僕らは澪華を救えていないのかもしれない。

「でもさ、」


“僕らも救えないのに桜坂高校の生徒会の人達に救えるわけないよ!”と言おうとした僕の声は、


「梓、」


凛として、でも少し怒ってるような、困ってるような、僕らの大好きな生徒会長様に遮られた


「私は生徒会の皆にいっぱい救われてきたわ、」

「今だって作り笑いしか出来ないくせに?」


「「「「っ、、、!!」」」」


それは、その言葉は澪華を傷付ける言葉だと梓っちも分かってるはずなのに


「何言って、、、私笑えて、」

澪華の泣きそうな戸惑った声が聞こえる


その刹那、、、


「今でも反対の人もいるとは思うんだがのう、澪華は自分の意思でも桜坂高校に行きたいと言っておるのじゃよ、」


理事長が僕らに今日2回目の爆弾発言を告げた
澪華が自分の意思でも桜坂高校に行きたいと本当に言ったの?


「何言ってんのよ~、澪華が自ら桜坂高校に行きたいなんて言うはずが、」


”ないじゃないねぇの~“と言おうとしている伊吹の声は、、、


「そうね、私もちゃんと了承したわ。」


もうさっきまでの泣きそうな声ではなく、ちゃんと僕らに納得させるような優しい声で遮られた。


それにいち早く反発したのは恭哉
「っ、どういうことだよ!やっぱり俺らじゃお前を救えないから、だから離れていこうとしてんのかよ!」


そうだよ、だったらもっと、ずーっと一緒にいるよ。

だから、「華ノ宮高等学校のためよ、」


だんだん泣きそうになって顔が下がる。

ねぇお願いだから、僕それ以外は望まないから

“君まで僕から離れていかないで”