長野さんが次に、
男のほうの“指”・“拳”を見せてくる。
こっちは渋い顔立ちで、
恐らく50代ぐらいかな。
「・・・・・あれ?
こっちも腫れてますね。」
「間違いなく骨折しておる。
帰ったらきちんと検証してみるが、
この男がこっちのお姉ちゃんを【殴った】可能性が高い。」
「ひょっとして“喧嘩”・・?」
「じゃあこのままついでに・・
男の方はこんな感じじゃ。」
「・・・・・・。」
「背中と腹に2カ所刺し傷があった。
死因はこれじゃな。」
「女性の方は?」
「こっちも腹に刺し傷。
そんでもって包丁が手に握られとった。
2人とも傷口の刃先が一致するから、
まぁ凶器と言っていいわな。」
え~~~っと、早速畳みかけてきた情報をおさらいすると、
男・・・・・
・拳が折れてる
恐らく喧嘩慣れしてなくて殴り方が下手くそだったから、殴った自分もダメージを負った
・刺し傷がお腹と背中に1カ所ずつ
凶器は女性の手が握っている
女性・・・・・
・鼻が折れてる
その他、顔が何カ所も腫れてるので、
殴られたのは明らか
・刺し傷がお腹に1カ所
傷口が一致している点から、
凶器は男の命を奪ったそれと同じ