“路上で男女2人が倒れてる”
“血を流してる”


寄せられた110番で警ら中だった交通機動隊が向かって・・


“双方の体に刺し傷あり”

“凶器と思われる包丁が女性の手に握られている”


機動隊の報告で“殺人事件”の可能性が示唆され、俺たち“刑事課 強行係”の招集が掛かった。




「ご苦労様です。」


この土砂降りの中、カッパ一つで堪え忍んでくれている捜査員に規制線を上げてもらって、

ブルーのビニールシートで作られた即席のテントへと向かう。


「私は第一発見者の人と、通報後に一番乗りした隊員に改めて話聞いてくるね。」


「よろしくお願いします。」



一旦、早苗さんと別れた所で・・


「長さん。入りますよ。」


「おぉ小西。ご苦労さん。」


4畳分ぐらいの即席テントの入り口を開けて、

中で検死を行っていたベテラン鑑識の長野さんと合流する。