「よお、どうしたんだ?その子。」



「同じ小児科医の先生です。熱が高い。」



「俺も手伝おうか。お前もやらなきゃいけないことがあるんだろ。」



「ありがと、亮さん。助かる。」



2人で処置室まで行って、解熱剤や栄養剤も用意する。



大人にしては細い血管に針を刺して、点滴の速さを調整する。



その間に熱を測ってくれていた亮さんが、眉を跳ね上げたのが見えた。



「やばいな。40度超えてる。」



「もしかしたらインフルかも・・・。」



「わからない。とりあえず検査してみないとな。」



「なら、起こした方がいいですね。」



「ああ、いきなり鼻になんか突っ込まれてもパニックになるのは目に見えてる。」



「俺が起こすので、検査キット持ってきてくれませんか?」



「わかった。ちょっと待ってろ。」



俺は苦しそうに息をする西荻先生に声をかけた。



さっき聴診したときに喘鳴が聞こえたから、喘息の発作が起こるかもしれないな。



ついでに吸入もしてもらおう。



目を覚ましたものの、ぼんやりして今にも寝そうな先生に、その旨を伝える。



嫌そうではあったけど、どちらもきちんと受けてくれた。