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「会うのは良いけど別に青井に施せるものなんかないよ」

「いいよなくて、俺も返したことなかったし」

「何の話?」

「俺、二見のこと好きなんだよね」


 意味が分からなかった。

 少しだけ太陽が傾いてセミの声が遠くなる。

 さっきまで遊んでた子供たちはいつのまに帰ったんだろう。

 風が吹く。夏のにおいがする。


「私、もう青井のこと好きじゃないんだけど」

「知ってる。言いたかっただけ、小学校のときもそうだったろ」


 どうでもいいとか蓋をしたいとか思ってたそれは

 青井の中では普通に残ってたんだと思うと死にたくなるくらい嫌だった。


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