*


「二見、青井と連絡とってんの?」

「とってないけど、なんで? 黒瀬も青井の連絡先持ってるじゃん」

「いや、この間青井に会ったんだけど」


 地元には、みんないる。通ってる高校が違うだけ。

 それでも電車通学してる子たちと、自転車の距離の私では

 通学時間だってずれがあって顔だって見ない。

 連絡をとってなければ、黒瀬にだって会わない。


「なんか二見のこと気にしてたみたい」

「ふーん」

「二見は?」

「なに?」

「もう、青井のことは好きじゃないの?」

「好きじゃないよ」


 いつも無表情な黒瀬が、珍しく驚いたような顔をした。

 即答したことに、私だってびっくりしていた。


*