「それこそ真央には関係ないと思うけど?それとも何だ?俺が寮で暮らしてちゃお前にとって都合の悪い事があるのかよ…」
「フンッ。居るだけで目障りなんだよ。一般人の女をからかって何が楽しいんだよ。」
「何だよ。静綺ちゃんの事で機嫌が悪いのか?」
「誰がッ!何故俺が静綺とお前が仲良くしてる事で機嫌を悪くしなきゃいけない?!」
ちょっと~……何で私の方まで火の粉が飛んでくるってのよ。
それでもふたりの言い合いは止まらない。このままでは手が出てしまうかって位ヒートアップしていくふたりの喧嘩。
そこに仕事を終えた山之内さんが帰って来て、昴さんと真央の頭を交互に殴る。
「何してんのよッ、アンタたち!」
坂上さんがホッと胸を撫でおろす。
「何すんだよ!ババア!」
「誰がババアだ!どうせまた真央が昴に喧嘩売ったんでしょう…?!
あんたは短気すぎるわ!そういう性格だから…
もっと昴の事を見習いなさいよ!」
「うるせぇ…。何だよ山之内さんまで……昴昴って昴の事ばかりだな!
そうだよな!グリュッグは大滝昴だけ大切にしていればいいじゃないか!」
あ。傷ついた顔だ。あれは怒りではない。
寂しそうで少し切なくって、傷ついた時に見せる顔。
オムライスを半分残したまま、真央は食堂から出て行った。
真央ちゃんー…と言いながら瑠璃さんと豊さんがその後を追う。それについていくように坂上さんも真央の後を追っていった。
山之内さんはダイニングテーブルに腰を下ろすと、酷く疲れたような顔をしてその場で頭を抱えた。