~真吾side~


溢れる涙は止まらない。

どうして、何故···

そればかりが頭を過る。



心愛が出たその日、いくら連絡しても繋がらなかった。

次の日はとうとう···


[現在、使われておりません。]


真「っ···」


こんなことって許されるのか??

何でここまで拒絶されなきゃいけねーんだよ···

いや···

何かあったんだよな···

心愛がここに至るまで····

本人の口から聞かなきゃわからない···



谷「麗華と会ってきた···」


真「心愛は??」


谷「·····」


俊「谷中ちゃん??」


谷中ちゃんの顔色が随分悪い。


谷「····嫌いだって···」


真「は??····俺のこと??」


もしそうなら···


谷「お前じゃない····麗華が、ココちゃんのことが嫌いだって···」


何だって···??


谷「自分の子供だなんて思ったことは1度もないし、存在そのものが気に入らないって····」


真「····何それ····」


バクバクと、嫌な音がする。


谷「·········何があったのかとか、そんなことは何も言わなかった····でも······もう2年前にうちから追い出したから······どこにいるとかそんなこと知らないって···」


幸「それって····」


谷「····どうも····随分前から育児放棄されてたみたいだ····麗華は何も言わなかったけど、マネージャーを問い質したら····かなり····酷い虐待を引き取られた時から受けてたみたいで····マネージャーはココちゃんを見たことも、声を聞いたこともないらしい···ただ物置にずっといるっていうことしか知らなかったって····」


虐待されてた···??

傷を見たことなんてない···

それにここに来たら、いつも笑ってた···


谷「麗華が最後に····ここに連絡したら、知りたいことがわかるって···アドレス渡された····」


俊「···フリーアドレス···??」


谷「······メールしたら返事来たけど··········指名ありがとうございますってきて···」


修「指名??」


谷「···メール繰り返してるうちにわかったんだけど···どうも····売春目的の···やつみたいで·······メールの相手の名前は····ココア···カナカナでココアって書いて···」


真「だからって心愛とは限らねーだろうが!!!心愛がそんなことするわけねぇ···んなことしねーよ····」


谷「·····ココちゃんだったよ····」


真「何でそんなことわかるんだよ!!!!」


谷「その名前は本名かって聞いたら···ココアは本名で····私が1番大切だと思ってる人達が···この名前をつけてくれたんだって····その大切な人って誰って聞いたら·····父と····家族のように大切な3人の人達だって···お前達のことだろ····だってココちゃんの名前を決めたのは、お前らだろ···」


"心優しく、誰からも愛される、愛せる人になりますように。"


谷「····大切だけど、もう2度と会えないから、私も1人で頑張らなきゃいけなくてって···言ってた···」


真「2度と会えないなんて···そんなことあってたまるか!!!!」


俺の気力は、心愛の存在で成り立ってる。

ちゃんと伝えてきたはずなのに···

どうして伝わらない···



それから谷中ちゃんが毎日メールをしてくれた。


谷「····昔虐待を受けていた影響で、身体が傷だらけです···それでも良いなら本番OK、もし嫌だと思うならこちらが奉仕させて頂きます。あと、初めて会う方とは3時間コースしかご案内できませんだって····金額は···2万····契約して頂いたら、月5万····」


修「···心愛は····そんな安くねぇ····何でそんな安売りしてんだよ···だいたい傷なんて見たことねーし····俺らに何隠してんだあいつは···」


わからない、とにかく会いたい。

心愛の口から全てを聞きたい。