~真吾side~


飯を食いながら泣く心愛に、これから絶対この子を幸せにしようと更に誓った。



真「心愛ぁ、風呂入るぞー。」


俊樹にくっついて雑誌を見てる心愛を呼ぶと、クリクリのお目目を俺に向けて笑った。


激かわっ。


「入浴剤入れても良い??」


真「大丈夫、亮から聞いてるよ。これから毎日入れるから安心して。」


透明のお湯が駄目な心愛の為に入浴剤をたくさん購入した。


真「今日は寒いし乾燥してるからミルクの入浴剤にした。」


「ミルク??どんなのだろぉ。」


ワクワクした様子だ。



脱衣所で服を脱ぎ、目を瞑った心愛の両手を握った。


真「ゆっくり歩いてね。」


身体を洗うスペースまで連れていき座らせた。


「どこがシャンプー??」


手をあちこちに伸ばす。


真「パパがやってあげる。」


丁寧に柔らかい髪の毛を洗っていく。


真「ココちゃん。」


「んー??」


真「髪の毛さ、黒くしない??」


元々、真っ黒な綺麗な髪の毛だった。


「メッシュは黒く出来ないからなぁ。」


真「何で??」


「チームカラーだから。私は2本、下は1本同じのが入ってるの。」


真「じゃあそれで良いから。茶色は落ち着かない。パパと同じ黒にして??」


「ん、わかったよ。」


言ってみるものだな。

普通に良いと言われた。



真「よし、お湯に入ろう。」


お湯に入ると目を開けた。


「ぱぱぁ、凄い色気ね。」


真「??何が??」


「髪の毛こうやって手でかき上げて??」


言われた通りすると


「きゃーーっイケメンだぁ。」


嬉しそうにはしゃいだ。

そんな喜んでくれるの??


真「心愛、パパでもそんなキャーキャー言ってくれるの??」


「???パパはかっこいいでしょ??」


真「ありがとぉ、嬉しい。」


下心も何もない褒め言葉は、滅多にない。


「パパお腹触っても良い??」


真「どうぞ。」


そっと心愛が触れた。


「腹筋割れてる···固いね。」


真「そりゃあ毎日トレーニングしてるからねぇ。」


人に見られる仕事だし、劣るわけにはいかない。


「本当、凄いよねぇ。」


真「何が??」


「たくさんたくさん努力して、今この家にいる4人は、日本を代表するアーティストで、誰もが憧れる人達だもん。私、ずっと心の中で自慢だなって思ってたの。こんな素敵な人が自分のパパなんて嬉しいなって。」


心愛に自慢に思われたいが為に頑張ってきた。

報われるものだな····


「パパ······たくさん傷付けてごめんね??」


真「良いよ。」


2週間に1回必ず会ってきた心愛が初めて行けないと言った時、胸が軋む程苦しかった。

それがとうとう4ヶ月空いた時には、自分は何をしてしまったのかとか、心愛に聞いても答えてもらえないから、嫌われたんだろうかとか考えた。

それも、こうして同じ家で暮らすと決まれば痛みは忘れた。


真「今日からここにいるよね??」


「いない日もあるけど··」


真「何で??」


「龍神でちょっとね···心配しなくても用が済んだら帰ってくるから。」


真「バイトは絶対しないでね??」


「うん、修ちゃんにも言われてるからしないよ。」


真「なら良いけど···」


龍神も気になるんだけどなぁ···




風呂から上がると、修一が心愛の診察を始めた。


修「····喘鳴がするなぁ···吸入しようか。」


「やだっ··したくない···」


修「苦しいから嫌だとは思うけど、発作が出てからじゃもっと苦しいから。」


入院中に検査してわかったこと。


それは、喘息がかなり悪化していて···

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心愛の見舞いに行く前に、修一に別室に呼び出された。

ノックをして入ったそこには、手術着に白衣を着た、医者の顔をした親友。


真「·····部屋でじゃ駄目だったか??」


修「レントゲンとか検査結果も見せたかったし····良い話じゃないんだ、お前らもわかってるだろ??」


「「「····」」」


修「·····結果から言う····心愛の身体の状態は、かなり良くない。」


わかっていたけど、ハッキリ言われると堪える····


修「栄養状態も最悪だし、臓器も弱ってる。特に肺···煙草を吸っていたのもあるけど、昔肺炎でも拗らせたのか、左の肺がかなり弱い。それを補う右も強いわけじゃないからな····もしもここに喘息の発作がきたら···命が危ない。」


「「「!!!!」」」


真「何とかならないのかよっ···受けれる治療は何だってしてくれ。」


修「これといった治療はない。もう慢性的なもので、喘息が治ることはない···やれることは、日常生活で発作が出ないようにすることと、身体を強くするしかない。」


俊「具体的には??」


修「3食ちゃんと食事を摂らせて、適度な運動もさせて、とにかく酒とか煙草はすぐにやめさせる。それと、投薬、睡眠だな···発作は出る前に吸入して抑える。それしか····」


今はとにかく出ないようにすること。

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