ホテルに着き、お客さんと共に部屋へ行こうとした時。

急に手首を掴まれた。


修「ハァー···ハァー···見つけた···」


「修ちゃん···」


彰「えっと····」


修「この子の家族です。この子は連れて帰りますので。」


そのまま早足のまま地下まで進んだ。


「修ちゃんっ···ゴホッゴホッ···速いよっ···」


修「ハッ····ごめん····ごめんな心愛···」


よく見たら汗をかいてる。


「修ちゃん、汗たくさんかいてるよ。」


ハンカチで額を拭いてあげた。

すると、力一杯に抱き締められた。


修「頼む····俺のこと別に見てくれなくても良いから····こんなことやめてくれ。」


「修ちゃん····」


修「お前は俺が本気じゃないと思ってるんだろうけど、人目なんて気にしないで探し回るくらいに本気だよ。」


芸能人の修ちゃんが人目も気にしないで探すなんて···

リスクとかそんなことも気にしないんだ···


修「ほら車乗れ。マンション帰るぞ···真吾達仕事でまだいねーけど、飯作ってやらなきゃいけねーから。」


「····修ちゃん···」


修「ん??」


「····ちゃんと考える。修ちゃんの気持ち···答えは待って??」


修「!!あぁ、わかった。」


ニカッと笑って嬉しそうだ。





修「さて、何作ろうか····」


「ハンバーグは??昨日幸ちゃんがハンバーグ食べたいって言ってた。」


修「じゃあそうするか。」


「修ちゃんお料理出来るの??」


修「出来るよ。俺達当番制だからな。」


「じゃあハンバーグ作るから、他の頼める??」


修「良いよ。」


「お味噌汁何にしようかなぁ···」


修「俺根菜が良いなぁ。」


「じゃあお野菜たくさん入れようか。」


修「あぁ、頼むな。副菜は何か適当に和え物でもするか。」


「サラダも作ろう。」


一緒にお料理をしていると扉が開いた。


「「「·····」」」


修「おかえり。」


「おかえりぃ。」


「「「·····」」」


ん??


真「····ただいまっ···」


「!!何で泣いてるの??」


真「嬉しくてっ···」


修「泣き虫だなぁ心愛のパパ達は。ほら、とっとと着替えてこい。」


パパ達がリビングから出ていくと、修ちゃんに抱き締められた。


修「泣きそうな顔するくらいなら、俺の前ではちゃんと泣けよ。」


優しく頭を撫でられて、涙が溢れた。

ここまでくる道程は長かったし、まだ不安が消えたわけじゃないけど、泣いて喜んでくれる人がいてくれるのは、嬉しい。

そして、それを別の意味で支えようとしてくれる修ちゃんにも、感謝の気持ちでいっぱいになった。




真「ハンバーグがハートだ!!!」


幸「やったハンバーグ!!」


俊「うまそーー。」


修「ほら心愛、心愛には小さいの焼いたからこれな。」


「食べれるかなぁ···」


修「白米はこんなもんか···んー····少なくした方が良いか···」


「こんなに食べれない。」


真「ちまっとじゃん。」


修「心愛にしたら多いよなぁ??」


「うん。」


修「夕方フルーツ食べさせたし、こんなもんだな。」


「んぅ····」


気持ち悪くなったら嫌だな···


修「心愛、大丈夫。本当に無理だったら残しな。怖がらなくて良いから。」


「本当···??怒らない??」


修「怒らないよ。約束。」


指切りをした。



「「「「いただきます。」」」」


「いただきます···」


1口お味噌汁を飲むと、ホッとした。


真「うまぁ!!!」


俊「おかわりある??」


修「あるけど、おかわりするなら明日ちゃんとトレーニング多めにやれよな。」


俊「やるやるー。」


「····」


温かいなぁ····

美味しい····


ポタッ


「「「「!!!!!」」」」


「あれ···涙····出てくる····」


自分で作ったやつだけど、お客さん以外の人とごはんを食べたのはいつぶり??

亮達ともごはんはあまり食べない。

食事に良い思い出はなくて····


「っ····ごはん····温かい····」


真「······これから····たくさん一緒に食べような。」


「···うんっ····」


全ては食べれなかったけど、誰も怒ることなく、頑張ったねって言ってくれて、それも嬉しかった。