~心愛side~


修「はい立って??」


「んーっ····ハァー···っ····」


修「ゆっくり呼吸して···両手俺に捕まって。」


向かい合わせになって修ちゃんの手の平に手を乗せた。


修「大丈夫か??」


「うん···」


修「ゆっくり左足から前に···」


「ん····ハァー···」


胸が熱い。

傷はそんなに深くなくて、肺も傷付かなかったって聞いた。

それでもやっぱり痛い。


「····っ···」


転びそうになったのを、修ちゃんが受け止めてくれた。


修「汗凄いな···まだ早かったかな····」


「ハァー····ハァー····ゴホッゴホッ···お散歩···」


修「今日はここまでにして、車椅子で行こうか??」


「まだ···歩ける。」


修「無理したら明日歩けなくなるかもしれないだろ??今は無理しなくて良いから。」


修ちゃんに抱き抱えられ、車椅子に座った。


真「外行っても良いのか??」


修「少しな。気分転換も必要だ。」


幸「膝掛け厚めのにしようね。」


「うん。」


真「売店でも行こうか??欲しいものある??」


「自分で買えるよ。」


お財布持って、中身を見た。

んー、300円しかない。

お水は水道水があるし、まぁいっか···




売店では···


"THREEDAYSだ!!!"

"あの子かな??"


凄い····

本当に公表したんだ····


真「心愛ピーチティー売ってるよ。」


160円····


「ううん····んっと····これ買う。」


真「コップ??」


「うん。」


真「それならパパ持ってきてるよ。」


「本当??じゃあ何もいらない。」


俊「ゼリーとかプリンあるぞ??」


「ううん。」


修「食べれるの食べて良いんだぞ??」


「いらない。」


ゼリー200円とか高い。


真「お菓子は??」


お菓子····

なら····


「これにする。」


50円のグミ。


真「·······こっちのグミのが良くない??」


「ううん、こっちが良い。」


パパが選んだのは高い。

150円だ。

安くてたくさん入ってるのが良い。


レジで払うと言うパパを言いくるめて外に少しだけ出た。


「····ゴホッゴホッ···ゴホッゴホッゴホッ····」


修「大丈夫か??」


「うん····ハァー····冷たい空気····ゴホッゴホッ···」


修「今日は一段と冷えるな。」


真「そうだな。もう冬だなぁ····」


「···」


冬場は稼ぎ時だなぁ···


真「心愛、いつ引っ越そうか??」


「え??引っ越し??····誰が??」


真「心愛だよ。」


「私は引っ越さないけど····」


真「····あのアパートに住み続けるってのか??」


「うん···面会はちゃんとするから··」


真「面会じゃない。これから一緒に住むんだよ。離れないって言ったろ??」


「····でも····住んでも会えないと思う。」


真「何で??」


「お仕事あるし、夜も帰らないし···」


すれ違うだけ。


真「お金はもう稼がなくて良いんだよ。ママにはもう渡さなくて良くなった。パパがママに言ったからな····それに、夜のは眠れないからやってるんだろ??パパ達が順番で一緒に寝てやる。」


俊「風呂だって一緒に入ってやる···1人で入れないんだろ??」


昔ママに沈められたトラウマで、湯船には誰かがいないと浸かれない。

目を瞑らなきゃシャワーにも入れない。

お風呂と眠るのが目的だった。


幸「4人もいるから。誰もいないとかない。」


「でも····彼女····」


「「「「いねーし。」」」」


真「あの報道は全部仕事。パパは心愛以上の大切な人なんていない。」


「····」


俊「まだ迷う何かがあるならそんなもん消し去ってやる。何かあるか??」


「····私···喘息酷いし····精神的に不安定だとパニック起こすし····迷惑しか····かけない。」


俊「んなもん迷惑のうちに入らねぇ。 お前にかけられる迷惑なんて、ちっぽけなものだ。俺らはお前が産まれてから···それ以上の宝物なんて出来たことねーんだぞ。」


「俊ちゃん····」


俊「離れようとすんな。大人しくお前は···守られとけば良い。」


「···それは···許されるの···??」


生きることも否定されてきた。

そんな私が····


「死ななきゃ···ためにならないって····」


真「んなこと···絶対にさせねぇ。心愛····お前が生きることが、俺達の幸せだ。」


生きて良いんだ。

パパに手を延ばすと、抱き上げてくれた。


「ヒック····えっく····ふぅっ···」


真「よしよし、たくさん泣け。」


生きて良い。

それだけで安心して、そのまま眠りに落ちた。