~真吾side~


意識のない1週間。

その間に記者会見を開き、全てを明かした。

全てを正直に、心愛が刺されたことも含めて話した。


真「今は暫く娘の傍に····目が覚めるのを···近くで待ちたいと思います。」


俊「また時期がきましたら改めて記者会見をさせて頂きます。今はとにかく···危険な状態ですので····申し訳ありません···」


麗華との結婚、離婚、心愛の存在、虐待···

たくさんの話をした。

数日経ってみると、意外と批判はなく受け入れられていた。

批判は勿論麗華にいっている。




そして目を覚ました心愛は、俺達を受け入れ始めていた。


真「心愛、身体拭こうか。」


「ん。」


目を瞑って服を脱ぐ。

傷を見ることは心の不安定に繋がる。

修一が、心愛の好きなようにさせてやれと言っていた。


真「···熱くないか??」


「うん···気持ちい···」


華奢な身体が際立つ。

修一によると拒食症もそうだが、胃のサイズが小さ過ぎるから元に戻すのに時間がかかるらしい。

少量を何回かに分けて増やしていく。

でも心愛は思うように食べられない。


俊「身体濡らさないなら頭洗って良いって言ってたから、俺が洗ってやるよ。」


「自分で洗えるよ??」


幸「ちょっと無理じゃない??まだ抜糸してないから。」


「そうかな···破れちゃうといけないかな??」


「「「いけないよ。」」」


「そっかぁ···んー、少しお散歩行きたいな。」


真「まだ歩いちゃ駄目だって。」


「歩けるっ···いたたたた····」


真「あぁもうほら。」


俊「修一呼ぶか!?」


幸「あぁぁ!!!血が滲んでる!!!」


真「ヤバいヤバいヤバい!!!」


修一に繋がる電話に鬼電した。

暫くすると····


ガラッ


修「うるせーーーー!!!!!鬼電してんじゃねーよ!!!!」


真「胸が破れた!!!」

俊「血が出てる!!!」

幸「お前ちゃんと縫ったのか!?」


修「一斉に喋るんじゃねーーーー!!!!」


「修ちゃんごめんね??」


修「良いよ。歩こうとしたのか??痛むか??」


「お散歩····行きたい···駄目??」


修「んー···そろそろ歩かなきゃいけないんだけどな···」


真「この状態で歩くのかよ!!!」


修「痛くても歩かなきゃ癒着して逆に状態が悪くなる。血が出るのは良くないけど、そろそろ歩き始めないとな。」


「歩けるよぉ。」


修「ん、頑張るか···」


真「おい!!!」


こんな状態で歩かすなんてありえねぇ。

思わず胸倉を掴んでしまった。


修「あ"ぁ···??何だこら···」


真「心愛がこんな状態なのに歩くなんてっ···」


修「お前、俺が心愛にマイナスになることをすると思ってんのか??」


真面目な顔をして問われた。


修「どうなんだ。」


真「·······ごめん···」


修「ハァー····お前らが心配するのは最もだ。でもな、これも治療だ。心愛は、傷を早く良くして喘息や拒食症を良くしていかなきゃいけない。順番にやるしかないんだ。わかるよな??」


俊「でも···血が出てる···」


修「そりゃ縫ったんだ、血くらい出るよ。塞がるまで時間がかかるんだ。テープを変えるから、待ってろ······心愛、散歩は良いよ。でも、俺がいる時だけにしろ。わかったか??」


「1人は···駄目??」


修「1人は止めとこうな。」


「····ん、わかった。」


修「じゃあほら、頭洗うんじゃなかったか??洗ったのか??」


俊「今から。」


修「んー····なら今から一件手術の説明しに行かなきゃいけねーから、1時間後迎えに来る。お前らも来るのか??」


真「当たり前だろ。」


修「じゃあ支度しとけ。」


真「了解。」





俊「痒い所ないですかー??」


「ないですよぉ。」


俊「····これ金髪??メッシュ···」


「それはね····ミルクティー色って言うんだよ。」


ミルクティー色····


「····パパ達の大好きなミルクティー···傍に身に付けたかったの。」


真「····そっか···」


節々に、俺達への愛を感じる。


「これ、チームカラーなの。」


真「チームカラー??」


「龍神のチームカラー···私のチームはミルクティー色。」


俊「お前姫だろ??」


「まぁね···でも、それだけじゃないから。私も龍神なの。」


真「····ただの姫じゃねーってことか···」


それは、追々問い詰めなきゃいけねーな···