~真吾side~


そんなこと、許されない。

心愛を何だと思ってんだ。

物じゃねーんだぞ···

怒りと、悲しみ、いろんな感情がせめぎあっている。


「····私に残された時間はもうないの。」


しかもそれを心愛は受け入れているのか??


亮「····コイツはそれを受け入れてる。俺達はそんなの反対だ。どうにかしたい、でもどうにもならねぇ····どうにかできるのは···」


俺達を見た。


真「····心愛····」


「·····」


華奢な身体に、どれだけのものを背負い込んでるんだと思ってたけど、想像以上だ。

もう心愛の心はズタズタだ。

本人はわかっているのか??


真「···パパ達とここで暮らそう。」


「·····暮らさない。」


真「····もう抱え込まなくて良い····パパ達が全部受け入れるし、守ってやる。」


ただ首を横に振っている。


亮「····心愛····」


「····何もしなくて良い。亮、帰ろう??」


亮「心愛、もう抱え込まなくて良いんだ。ここに来たら、もうあんな仕事もしなくて良いし、母親から怯える生活なんてしなくて良い。俺らもちゃんと守る···身体とか精神的な面はもう限界だろ??お前次発作が出たら命の保証はできないって医者に言われただろ。俺達はお前を失いたくない、俺達だって···この人達に助けを求めてる。」


充「心愛、もう身体は限界だよ····眠ることも満足に出来ないし、それなのに働き詰めだろ??」


「私は大丈夫だよ。」


充「大丈夫じゃない。心愛はもう限界だよ。日に日に痩せてるじゃん、食べることだって出来ないんだろ??食べても吐いてるの知ってるよ。弱くなったって良いんだよ。そんなので俺達は···」


「迷惑かけてる??」


亮「かけてない、そうじゃないんだ心愛、ちゃんと聞いてくれ。」


「····聞きたくない。私は1人でも平気だし、もう楽になりたいの···自分の身体のことは自分が1番わかってる。」


亮「心愛!!!」


「っ···こんなことになるなら話したくなかった!!!」


心愛がピアスをとって亮に投げ捨てリビングを飛び出していった。


亮「心愛!!!!·····俺だ、心愛が発信器外して外に出た。保護しろ·······ハァー···」


充「亮····」


亮「·····何が楽になりたいだ····何であいつが諦める必要がある!!!·····悪かった、俺がうまく言えなくて···」


真「··いや·····謝るのはこっちの方だ····」


亮「あんたが謝ることなんて何にもねーだろ···知らなかったんだ。仕方ねーよ。」


充「···ハァー····」


修「···心愛は····そんなに悪いのか??」


充「····闇医者の話しによると···喘息はもう慢性的なもので治らないだろうって話です。発作も重たいので、次大きな発作が出たら、助けられるかわからないってこの前言われました····精神的なものは···えっとなんだっけ···P····T···何だっけ??」


光「Pなんとか···」


修「PTSDか···」


充「あぁそれです····かもしれないって。薬では補助的な治療にしかならないって言われましたけど···」


修「そうだな····直接的な治療にはならないからな····」


充「心愛は薬もちゃんと飲みませんし、煙草も酒も···気分が落ち着くって言って続けてますし····」


亮「ウリもな····好きでやってるんじゃねぇ。あいつは1人じゃ眠れねーんだ。怖いらしくて····昔はそうじゃなかったけど、
今はウリなんてしなくても良いぐらいの金はある。まぁ···母親に搾り取られてて生活は苦しいみたいだけど····それでも続けてるのは、一緒に眠る人を探してるんだ····ただそれだけの為に身体を差し出してる···」


充「····あの子はもう限界なんです。本当は·····あなた達に助けを求めたいと思ってると思うんです····前に酔っぱらって言ってました·····いつか、また一緒に暮らしてみたいって····叶えてあげたいんです····」


そんなもん····


真「叶えるよ。大丈夫···あの子は俺達が救うから····」


絶対絶対····

あの子を救ってやる。

離れられないぐらい、ドロドロに甘やかして···

親子を、家族をやり直す。


待ってろよ心愛····

パパが助けてやるからな···