~心愛side~


真「心愛がっ····」


泣きじゃくるパパに、胸が張り裂けそうだ。

別に病気なわけじゃない。

決められているだけ。

生きることも、死ぬことも、決めるのはいつだってママだ。

私に意思なんてない。

何ともしようがない。


私は来年の7月7日の誕生日に、命を落とす。


修「心愛何の病気なんだ??1年ってわかってるってことは、もうそういう話しになってるのか??進行してるってこと??」


「·····」


修「おい答えろ。」


「もう答えないよ。」


修「何でだよっ··諦めてんのか?!病気なんて治療の1つで変わってくる。命に期限なんてねーんだよ!!」


「わかるでしょ??リスカの痕だって見たじゃない····私は、生に固執してない。もういろいろ決めてるの。お骨は海に全て散骨、お葬式はしない····死んでも、こっちには連絡しない····弁護士さんにそう頼んである。」


真「今から病院に行こう!!!大丈夫パパが絶対何とかするから···」


「しなくていいって····もう良いから。」


真「良くないっ··勝手に決めるなっ···」


「····泣かないでよ。別に病気じゃないから。」


真「病気じゃないなら何で·········自分でってことか···??」


「·····どうかなぁ···それはわかんないけど。」


こればっかりはわからない。


真「なぁ、ちゃんと話してくれないか···本当に病気じゃないのか??何が本当で何が嘘なのかわからないっ···」


そんなに泣かなくても良いのに···


ピリリリリ


「はい。」


亮[着いた。]


「早いね、今行く。」


随分早く来たな···


修「心愛、まだ話してる最中だろ!!」


「修ちゃん、お医者さんは患者さんの意思を勝手に動かしたり出来ないよね??延命したくないって人には延命をしない。」


修「お前は患者じゃねーだろ!?俺達の家族だ!!家族のことは··」


家族??


「···私は家族じゃないよ??」


修「何··言ってんだよ。家族だろ??」


「私に家族なんていないよ。私はひとりぼっちだから···家族なんてそんな温かいの···私にはないよ。」


真「お前はひとりぼっちなんかじゃない!!ずっとそんな風に思ってたのか??心愛はパパ達の大切な家族だよ!!」


そうなんだ···


「それは知らなかったよ。ありがとね。」


真「心愛!!」


俊「俺らの気持ちは、いつからお前に伝わらなくなってた??」


知らない間に俊ちゃんと幸ちゃんも起きていた。


俊「俺らは、お前を誰よりも大切にしてる。それをずっと伝えてきて、前はそれがわかってただろ??いつからそんな壁を作るようになった···」


「·····」


俊「俺らは···お前の出してたSOSに気付けなかったのか??だから俺らを信じられなくなったのか??」


何に答えることもなく外に出ると、4人もそれに習って付いて来た。


俊「それも答えてくれないのか??」


「·······皆は悪くない。悪いのは···私だよ。ていうか何で付いて来るの??」


俊「お前の男を見ようと思って。」


「何言ってるの??マスコミの人いるかもしれないし···」


幸「今日はいないよ。だいたい決まってるから大丈夫。」


「でも···」


エンランスの扉が開いた。


亮「あ、いたいた。心愛ー。」


「亮···」


充「広いねぇ。」


光「さすが億ション。」


昂「エンランスっていうより大企業の入り口みたいじゃね??」


4人が入ってきた。


「「「「!!!!!」」」」


俊「心愛····知り合いか···??」


「うん。」


俊ちゃんに抱き締められた。


俊「駄目だ、なんだコイツら···どれだ彼氏!!ふざけんな帰れ!!」


亮「あれ、THREE DAYSだ。ていうかメチャ敵意感じるんだけど。」


充「まぁこんななりじゃねぇ。」


亮は赤髪、充希は緑髪、光は青髪、昂輝はピンク髪で、かなり目立つというかなんというか····


真「お、落ち着け心愛っだっどっ···」


「私は落ち着いてるけど···パパ落ち着いて??ちょっと···パパ??」


充「心愛、どうすんの??俺ら帰った方が良い??」


「んーん。私も一緒に帰るから待ってぇ···んーっ、俊ちゃん離してよぉ。」


俊「目がチカチカする、でも····どっかで見た色合わせだな····」


幸「うん····どこだっけ····」


修「んなことどうでも良いだろ。お前ら、何者だ??心愛とどういう関係だ。」


亮「俺らのこと知らねーの?!まじかよ、レアなおっさんだな。」


修「俺はおっさんじゃねぇ!!!」


「そうだよ、35歳だけど見た目若いよ!!」


修「····」


亮「お前のが抉ってんぞ···」


え???