~心愛side~


修ちゃんはお医者さんだから、知識が幅広い。


修「···お前は喘息だってあるだろ。組み合わせによっては効かない。その辺りのことはどうなってる。」


「····」


喘息の治療なんてずっとしてない···


修「·····心愛····お前本当に真吾と離れたいって思ってるのか??俺にはお前が強がってるようにしか見えないぞ。これも····お前が思って始めたことなのか??どれもこれも·····お前の意思じゃないって俺は思う····麗華に脅されてんじゃねーのか??」


本当に鋭いと思う。

思わず顔を見てしまった。


修「····やっぱり···」


「違うそんなのじゃないよ。」


ギュッ


修「····もう楽になれよ。お前は1人なんかじゃない。」


「っ·······そんなのじゃないよ····私は平気だし····自分の意思だよ····」


修「声震えてるぞ。」


「離してっ···」


修「ここ····っ···これ····」


修ちゃんが私の手首を掴んで服を捲った。


修「···これリスカの痕か?!お前···自傷してんのか!?」


見られた···

ずっと隠してたのに····


真「···見せて······こんなたくさんっ··心愛どうして···」


4人に囲まれた。

パパは傷跡を優しく撫でた。


真「····新しいのもある····いつからこんなこと·····何を抱え込んでるんだよ心愛っ··話してよ···こんなことしたらいけない···一歩間違えたら命落としちゃうよ···」


命を落としちゃう??


「······そんなの·····パパに関係ないでしょ??私の命をどうしようと···私の勝手だよ···」


真「····本気で言ってるのか··??」


急に、パパから威圧感を感じた。


真「心愛、ちゃんとこっちを見なさい。」


首を振ると、


真「こっちを見ろ!!!!」


怒鳴った。


その瞬間、頭にたくさんの映像が流れてきた。


"お前なんか早く死ねよ!!!!"

"生きる価値もないクズ。"

"お前の存在は····"


「ハッ···ハッ···」


真「心愛···??」


「ごめ···なさい···ごめんなさいっ····殴らないでっ····」


"お前の存在は···人を不幸にする。"


「ハッ··ハッ····なぐ····らないでっ····」


真「おい心愛!!!」


パパが肩に触れた。

それが、あの男に見えた。


「き、きゃーーー!!!触らないでっ来ないで!!!」


頭ではパパだってわかってるのに、心が追い付かない。


真「心愛!!」


修「待て真吾!!」


薬飲まなきゃ、薬····

こうやってパニックを起こした時の為に鞄にいつも入れてるのに、うまく取り出せない。


「ハッ···ハッ····」


修「誰か紙袋持ってるか?!」


谷「ある!!これで良いか!?」


修「あぁ、心愛触るぞ??···その薬を飲む前に過呼吸を治めような···ゆっくり息して。」


背中を腕で支えられ、修ちゃんが紙袋を口に当てた。


「··ヒック···ハッ···ゴホッゴホッ···」


修「大丈夫···そうゆっくり····幸也俺の鞄とって。」


幸「はい。」


修「サンキュー···胸の音聞かせてな···」


服の上から聴診器を当てた。


修「!!随分音が悪いな····この音は····喘息の治療してないのか??それとも····煙草かなんか吸ってるとか近くに吸ってる奴がいるとか。」


だいたい当たってる。


修「···薬はさすがに持ってきてないな····心愛、持ってる薬見せてな??真吾、お前紙袋押さえるの変わって。」


真「あぁ····心愛··パパに変わるけど良い??」


コクン


頷くと、ホッとした顔をした。


「ゴホッゴホッ···」


真「大丈夫だからな···」


さっきの感覚は無くなり、私の背中を擦るパパが安心材料になって、滅多に感じることのない睡魔に襲われた。

睡魔に襲われるなんていつぶりだろう。


「····パパ····」


真「···ん??」


「·····」


夢の中に入っていった。