帰りの車の中、二人はずっと手をつないでいた。


そして、とうとう、その手を離す時が来た。


「ありがとう、高科さん・・・。」

「最後に、キスしていい?」

カナが頷く前に、唇がふさがれた

優しい、激しいキスだった。

高科は泣いているようだった。

唇を離し、抱きしめあう。



「ありがとう・・・。もう、行っていいよ」



高科がつぶやく。


カナは黙って車を降りる。

「さようなら」

精一杯の笑顔を高科にむける。


「カナちゃん、次に付き合う男は、
俺よりいい男じゃなきゃ、許さないからね」



黙って頷くカナ。




「・・・じゃ」




高科が居なくなったあとも、

カナはただ立ち尽くし、


涙を流していた