でも、高科の中で、もう一人の高科が訴える


『嫁は!?産まれてくる子供を裏切るのか?』

『この状態のままで、居れる訳がないだろう?』


―――分かってる。そんなこと、分かってるよ



その葛藤を、ズルイ高科がカナとのキスでもみ消す。




―――最低だ。俺は





深いため息をつく。





そうだ、考えても同じだ。




考えの、行き着く先は、いつも同じ選択肢




カナを取るか、妻を取るか。