車に戻るときも、足場が悪いところは高科は手をつないでくれた。

そして、車に乗り込み、高科はまた、タバコに火をつけた。

沈黙がつらくて、カナも自分のタバコに火をつけた。

そして、火を消した。



すると、高科が静かにカナの手を握り、口を開いた

どきん、とカナの心臓が鳴った


「本当はさ、言おうかどうしようか、悩んだんだ。

カナちゃんも困るでしょう?

俺、結婚してるし、おっさんだし、

でも、言わずには、いれなくなって・・・」

カナは黙って聞いていた。
いや、嬉しすぎて、言葉も出なかった。