「うわぁ!綺麗!」

「でしょ?
よく、一人でくるんだ。ここ」

そう言いながら、高科はカナの右隣から、左隣へ移動した。

一瞬、意味がわからなかったが、すぐにわかった。

風上側に立って、カナに風が当たりにくくしてくれたのだ。

そんな優しさを今までしてもらったことがなくて、
カナは驚いたのと同時に、心臓がきゅんとなった。

「ありがとうございます」

「ん?何が?」
言いながら、高科はタバコに火をつけ、
カナに煙がいかないように、注意しながら煙を吐いた


・・・この人は、とても優しい人なんだ。