カナは、質問した事を後悔した。

聞かなかったら、高科の曇った表情を見る必要がなかったから

「・・・いえっ。だって高科さん、もてるでしょ?
だから絶対結婚してそうだなぁと思って」


少し・・・いや、結構ショックだった。


カナは動揺を隠すのに必死だった
「子供は?」

ショックなくせに、どんどん聞きたくない質問をしてしまう。

「いないよ。カナちゃんは彼氏は?」
「いませんよ~」


・・・ケッコン、してたんだ

心を落ち着けようと、カナもタバコに火をつける。


「ケッコンしてるおっさんとじゃ、食事行きたくなかった?」
高科がタバコの灰を、灰皿に落としながら、尋ねる。

「いやっ。私は大丈夫なんですけど、高科さんは大丈夫なんですか?」

奥さんがいるのに、こうやってカナを食事に誘うということは、
今までも結構遊んできているのだろうか。

急に罪悪感にさいなまれる。

「わかんない。俺、結婚して、女性を食事に誘うの初めてだから」


えっ。



カナの心臓の鼓動が大きくなった

「またまたぁ。うそばっかり!」
笑ってごまかす
「嘘じゃないよ。本当だよ。」
気のせいか、高科の頬が少し赤くなっていた