…なんとなく、そこら辺は理解できる。
美央さんが大学生になるまで我慢してたのなら、斎さんは大したものだ。
どれだけの長さだ。
理性の賜物だな。

「だから、愛も言えなかったんだと思う。
女の子同士って、恋バナは大好物のはずだ。
俺へのプレゼント選びだって、美央はいつも愛とまず最初に下見に行くんだ。
花嫁衣装だってそうだよ。
俺と見に行く前に、2人で楽しそうに下見に出かけてた。愛はいつも側にいてくれた。
……過去のこと、どうしようもないけど…。
俺も反省だよ。
自分達のことしか考えてなかった。
愛に申し訳ない。」

「斎さん…」

「蓮、これだけは言える。
愛は、絶対お前を裏切ってない。

カトリックは離婚が許されない。
それは知ってるだろう?
もちろんカトリックにも色々な人がいる。
離婚しないからって、貞節を重んじる人ばかりじゃない。

でもな、坂上家は別だ。
昔から見てきたからわかる。
貞節にこだわる。
女性の純潔もだ。

オタクでシスコンの誠だって、ふらふら遊んでいるけど、実際は一途な男なんだ。
もうずっと1人の人を想ってる。
…あ、それ、愛じゃないからな?
妹は妹だ。別の次元で可愛いものらしい。

だから…何が言いたいかというとー。
愛はお前にフラれた後も、やけになったり、他の人に心惹かれたりはしなかったと思うぞ。