「え、零の家!?」

「何か問題ある?」


「いや…別に…」

零の家ということは……あの人もいるのだろうか。


いや、さすがに会わない…か。


アイツの3つ年上のお兄さん、『壱兄ちゃん』は今大学2年生で、県外の大学に行っているとお母さんから聞いた。


家に帰ってくることも滅多にないだろう。

まぁそれに今更会ったところでだよね。


久々で少し、気まずいだけ。


壱兄ちゃんは、私を沢山救ってくれた人。

私が『自分のことだけを好きになってくれる人としか、付き合わない』そう誓うきっかけをくれた、私の救世主だ。