「やった!なら、あのカフェにまた行きたいな。あのワッフルがおいしかったところ」

俺がそう言い、ならあそこにも行ってみたいとエルヴィンたちが言う。アルス村でどこに行くかが決まっていくが、もうそろそろ席に座らなければならない時間だ。

「またあとで話そう。そろそろ先生が来る」

そうエルヴィンが行った刹那、授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。俺たちはそれぞれ自分の席に座る。

今から俺たちが受けるのは魔法薬の授業だ。薬草をすり潰したりして特別な薬を作ったりする。調合さえ間違えたりしなければ、理科の実験みたいで楽しいよ。

「……皆さん、ごきげんよう」

そう言い、教室に入って来たのはいつも魔法薬を教えてくれるアリス先生じゃない。胸元の大きく開いた赤いミニ丈のドレスを着た綺麗な魔女だ。

「誰ですか?」

「アリス先生は?」

「胸大きくね?GかHはあるだろ」

教室が一気に騒がしくなる。無表情でしばらく騒ぐ俺たちを見ていたその魔女は、天井に向かって杖を向けた。