「アルコ・イーリス!」

俺は空に向かって杖を向ける。すると、雨上がりではないのに空に大きな虹が誕生した。この魔法はささやかな奇跡を起こす魔法だ。うまく使えてよかった。

「綺麗……」

「この手の魔法はお前が一番うまいな、アルミン」

エイミーは目を輝かせ、エルヴィンは褒めてくれた。嬉しい。魔法使いになれて本当によかった。

こんな日々がずっとずっと続けばいいな……。



それから数日後、俺たちは今日も魔法学校に行ってひたすら魔法を勉強する。いつもは六限目まであるんだけど、今日は午前中までだからラッキー!

「学校終わったらさ、みんなで遊びに行こうよ!アルス村とか」

次の授業が始まるまでの休み時間、俺はエイミーとエルヴィンに話しかける。アルス村っていうのはゴブリンや聖霊などが多く暮らす村で、精霊たちがお店を経営しているんだ。

「いいよ。……アクセサリー屋に行きたい」

エイミーがそう言い、エルヴィンも予定がないと言っていたので、放課後はアルス村に行くことが決まった。