「助けに来たのは、私だけじゃない」

エイミーがそう言い、破壊された扉の方を見る。ゆっくりと現れたその姿に、俺は怒りを覚えざるを得なかった。

「……何しに来たんだよ、エルヴィン」

エルヴィンが申し訳なさそうな顔をするが、俺は構わず睨み続ける。一度裏切った人間が何の用なんだ。

「俺をこんなところに閉じ込めたのはお前だろ!!お前が俺を裏切ったんだ!!お前なんかもう友達じゃーーー」

怒りに任せて次々言葉を放つ俺の頬が強く叩かれた。目の前にいるエルヴィンも、俺自身も驚く。エイミーが涙を流しながら言った。

「こんな時に、喧嘩なんてやめて!!アルミンの言いたいこともわかる。でも、エルヴィンは先生に脅されていた。どちらが悪いわけでもない。偶然こうなってしまっただけ」

ジンと頬に痛みが走る。エルヴィンが「すまない。俺はお前にしてはいけないことをしてしまった。この罪は、きちんと償う」と頭を下げる。エイミーも真剣な目で俺を見ていた。