俺はゴロリと横を向く。真っ白な壁が目に見える。異世界に転載する前に神様と話したあの真っ白な空間を思い出した。魔法使いの世界に転生したって聞いた時はドキドキしたっけ。

「こんなところで一生過ごすのか……」

俺の口からため息がもれる。その刹那、「ヘレス!」という呪文が聞こえ、俺は飛び起きた。この声はよく知っている!もしかしてーーー。

「アルミン!!」

分厚いドアの鍵が破壊され、俺はドアを破壊した人物を見つめる。ブラウンの髪を揺らし、魔法学校の制服を着たエイミーが立っていた。

「エイミー!!」

俺は驚き、エイミーに近寄ろうとする。鎖がジャラリと音を立てた。

「……助けに来た。こんなの、間違ってるから!」

エイミーがそう言い、俺を縛る鎖を壊してくれた。長時間拘束されていて、軽くなった体が喜んでいる。

「ありがとう!!」

俺はそう言い、笑う。久しぶりに笑えた!嬉しいと思うこの心が愛しい。