俺がそう言うと、「そうだ」とエルヴィンは答える。やっぱりそうなんだ。

「で、話って?」

俺がそう訊ねると、エルヴィンは「すまない、アルミン」と言い呪文を唱える。その刹那、俺の持っている魔法の杖がエルヴィンのもとへ飛んでいった。

「はあ!?お前、何やってんだよ!!杖返せ!!」

俺がそう言いエルヴィンに近づくと、エルヴィンは魔法をまた放つ。エルヴィンの杖から縄が飛び出し、俺の体に巻き付いた。身体中を縛られたため、俺は床に倒れてしまう。巻き付いた縄は全く外れない。

「おい、エルヴィン!!何するんだ!!」

俺がエルヴィンを睨むと、「エリザベス先生から全部聞いた。お前の前世は異世界の住民で、異世界での記憶があると」と悲しげな目で言われる。何で、それを……。誰にも言ったことがないのに……。

「それは私の特別な力のおかげよ」

教室のドアが開き、エリザベス先生が授業では見せることのない笑顔を浮かべながら俺に近づいてくる。特別な力?何のことなんだよ。