「ドンデゥル！」

魔女がそう言った刹那、杖から光が飛び出し、轟音を立て始める。雷鳴だ。教室は一瞬にして静かになった。

「チャイムはもう鳴っている。私語はするな。次に授業内容の質問以外で話したら減点する。……わかったな」

冷たい目を向けられ、俺たちは一瞬にして震え上がった。この人には逆らえない、そう思い知らされる。

「私の名はエリザベス・コンチータ。アリス先生が怪我で入院することになったため、急遽魔法薬を教えることになった。普段からこうして臨時教師として働いている」

淡々とエリザベス先生は自己紹介をする。その時、俺の後ろで女子が「アリス先生、自宅の階段から落ちたって噂を聞いたよ」と話し始める。やめとけよ、と俺が言おうとした刹那、女子生徒の前に雷が落ちた。

「ミス・ウェンディ、減点されたいの？」

エリザベス先生が冷たい目で女子を睨む。女子は「い、いえ……。すみません」と言い黙り込んだ。